第17章 初めてのクリスマス(クリスマス)
暫くすると疲れ果てたのか一松兄さんが寝息を立て始めた。
そこで僕はクリスマスディナーの話は一段落したので、レシピ本をぱたんと閉じて「もう一つ相談があるんだけど」と身を乗り出す。
僕に視線が集まったのを確認して、僕は一松兄さんを見やった。
僕に集まっていたチョロ松兄さんと十四松兄さんの視線も一松兄さんに向けられる。
「クリスマスイブの夜なんだけど、あの二人を二人きりにしてあげたいんだ・・・」
「うん、それは僕も考えてた」
十四松兄さんも賛成なようで、大きな口を開けて頷いている。
「でも、イブの夜に二人で出かけたら母さん達、不振がるだろうし、一松兄さんも恥ずかしくてためらうんじゃないかと思うんだよね」
「うん、で・・・どうするの?」
「僕達が二人が出かけやすい環境を作るんだよ!」
僕達は身を寄せ合ってこそこそとイブの夜の計画を立てた。
その後は毎年恒例のプレゼント交換の話で盛り上がった。
今年は真面目にプレゼントを考えようと言う事で話がまとまった。
でも、値の張る物はNGだ。
それはカラ松兄さんと一松兄さんの事を思っての事だ。
まあ、どちらにしても僕達ニートに高価なものは難しい。
僕は夕飯までの時間をプレゼントを考える時間に当てた。
チョロ松兄さんと十四松兄さんも同じようで、狭い部屋は和やかな空気で包まれていた。