第16章 写真
おそ松side
朝から釣り堀に来てたけどいまいちだし、パチンコって気分でも競馬って気分でもなくて、でもなんとなく気分は良くて、町の中を適当にブラブラと歩いていた。
すると、少し先に人集りが見えた。
何だろうと目を凝らしていると、その人だかりをかき分けて見覚えのある顔がひょっこりと現れた。
「あれれ~?チョロ松君、こんなところで何やってんの~?」
「うげっ!!」
「うげっとはなんだよ~、失礼しちゃう!」
俺はそう言って手を差し出した。
「え?」と、俺の手を見つめるチョロ松。
「重たいだろ、半分持つよ」
俺はチョロ松の両手にぶら下げられた大きな紙袋を指さした。
「い、いいよ別に・・・」
いつもされない気遣いをされて気恥ずかしかったのかほんの少し頬を染めて俯くチョロ松から無理やり紙袋を奪って歩き出した。
「ちょっ!何するんだよ!」
「チョロ松、はらへった~」
「はぁ!?やっぱりお前、そう言う事だったのか!だよね、おそ松兄さんがただで荷物持ちなんてやるわけないよね」
俺はチョロ松の愚痴を背にラーメン屋を目指し歩いた。