第16章 写真
トド松side
カメラ屋さんからの電話を切って居間に戻ると、炬燵に潜ってスマホを開いた。
「写真かぁ~」
ぼやきながら僕はスマホの画面に指を滑らせる。
画面に映し出される沢山の写真。
ぼ~っと眺めながらスライドさせていると思わず手を止める写真が目に飛び込んできた。
「うわぁ~~~、この頃って、まだカラ松兄さんと一松兄さんが付き合ってないときだよね~、何か微笑ましい~」
僕は思い出に浸りながら写真の整理をしていった。
数十分かけて膨大な写真を整理し終えた僕は背伸びをすると、炬燵のスイッチを切って立ち上がる。
「よっし!行こう!」
二階へ向かい、上着を羽織って、帽子をかぶる。
箪笥から財布を出して中身を確認した。
うん、これなら写真をプリントアウトして、アルバムを買うくらいはできそうだ。
僕は靴に履き替え、家を出ると、スマホを握り締めて駆け出した。