第3章 勇気
俺の目から再び涙が溢れた。
何の冗談?
・・・あ、そういうことか
「お前のそういう兄弟愛っていうの?暑苦しいよ」
「一松、お前は何か勘違いしていないか?」
違うっ!ちょっと待ってよ・・・聞きたくない!
「俺の言う好きは・・・」
「やめて・・・」
「やめない」
囁くようにでも力強い声で
顎を攫まれ無理やり視線を合わせられた
「俺は一松を一人の男として・・・愛してる」
俺はひたすら泣くことしかできなかった。
両思いだった。
嬉しい。
でも、やっぱり俺はその手を握れない。
裏切られたらどうしよう。
何よりも、お前を失うことが怖い。