第15章 スイートよりビター
パンパンと乾いた音と鼻にかかったような甘い声が今は部屋を支配している。
その横でピンク色のチョコレートがべっとりと白いシーツを汚していた。
「はっ、はぁっん・・・からま、から・・・つぅ」
もう、二時間も喘ぎ続けている一松は擦れた声で俺を呼ぶ。
俺は一松に覆いかぶさり、一松の口元に耳を寄せた。
「どうした、一松?」
「お、俺・・・甘いのより、苦いのが・・・ほし・・・ぃ」
「オーケーハニー、ビターなのを注いでやるからもう少し頑張ってくれ」
俺は一松の頬にキスをして頭を撫でてやると、再び上体を起こして動きやすい体勢になった。
一松は、俺の全力の愛を受け止め続けて、それに精一杯になったのか今はただひたすら腰をびくつかせて喘いでいる。
俺は、玩具を売っている自動課金期の入っていた棚に視線をやる。
(一生俺達には必要なさそうだ)
俺は瞳を閉じて口端を上げると、再び一松に視線を戻して腰を激しく打ち付けた。
初めは愛液にピンク色を混ぜ、甘い香りを放っていた結合部からは中に何度も放たれた俺の白濁と一松が放って流れてきた白濁にまみれて面影をなくしていた。
一松は絶頂が近い時の声を上げながら俺の腕を掴み、上体を起こした。
そして結合部に手を伸ばし、指を這わしてヒヒッと笑うとばすんとまた布団に体を埋めて背を逸らして鳴いた。
気を失ったように眠る一松の体を綺麗にしてやり、ポッキーで汚れた布団もきれいにする。
そして俺も一松の隣に横になった。
そして一人、物思いにふける。
今日一日で一松はたくさんの事を俺に話してくれた。
いつもの一松なら絶対に言わないであろう心の内を。
入院していた間、寝ても覚めても一松が居ないというのはとても寂しかったが、それがあったが故の事だと思い、入院も悪くないと笑った。
一番の収穫はやはり、一松が俺以外の物を入れたくないと思っている事だろうか・・・
一松はとても優しくて純粋な心を持っていることは俺が一番わかっていたつもりだったが、俺が思っていた以上なのかもしれない。
それから、一松もちゃんと俺との事を思い出して興奮してくれている事も嬉しかった。
俺が入院している間も寂しいと思っていてくれたことも幸せに思った。
そうやって幸せに浸っていると俺は入院中考えていたことを思い出した。