第15章 スイートよりビター
俺はひくひくと収縮を繰り返すそこにポッキーをゆっくりと差し込んだ。
「ちょっ!」
一松が声を上げるのと同時にポッキーの入るそこが締まる。
「一松、あまり締め付けるとポッキーが折れてしまうぞ?」
一松は慌てて力を抜いたようだった。
そして、力を入れてしまわないように眉間にしわを寄せて大人しくしている。
「一松、どうだ?ポッキーは美味いか?」
すると一松はぷいっと横を向き、枕を抱き寄せて顔を隠してしまった。
俺は刺さったポッキーをそのままにして一松の抱きしめている枕を取り上げるために、一松の上に覆いかぶさる様な体勢になる。
そして、少し力を入れて一松の腕から枕を引き抜くと、そこには瞳に涙を溜めた一松の顔があった。
「い、一松!?」
「抜いて・・・」
「へ?」
首をかしげる俺の腕に一松が縋りつくように腕を絡める。
そして、たまった涙をこぼして、俺の瞳を見据えて言った。
「お、俺の・・・中に・・・カラ松以外の物入れないで」
二人だけの部屋を一瞬静寂が包む。
一松の中に入っていたポッキーがポトリと音を響かせた。