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【おそ松さん】色松恋物語(BL長編)

第15章 スイートよりビター


トド松side


僕は今、一松兄さんのプリンづくりの手伝いをしている。
そして今から二人っきりで一松兄さんの恋バナタイムが始まる!!

「一松兄さんはいつからカラ松兄さんの事が好きなの?」
「いつって・・・中学?はっきり覚えてないよ」
「一松兄さんもカラ松兄さんも結構一途なんだね?」

一松兄さんはそうなの?というような顔をする。

「カラ松兄さんもね、中学の時から一松兄さんの事好きだったと思うよ?」
「え、な・・・何で?」


僕は中学の時のそう思ったきっかけを話した。
それは一松兄さんがカラ松兄さんにきつく当たり始めてすぐだった。
僕は、カラ松兄さんが泣いているのを見てしまった。
カラ松兄さんは一松兄さんの名を何度も呼んで、そして最後に「救ってやれなくてごめんな、一松」と言っていた。
その数日後、カラ松兄さんが白い封筒を手に屋上に行くもんだから気になって後をつけたら女の子に告白されていて、その返事で僕はカラ松兄さんは一松兄さんが好きなのだと確信した。

「すまない、好きな人がいるんだ」
「誰?」
「それは言えない」
「その人もカラ松君の事が好きなの?」
「いや、嫌っていると思う」
「じゃあ、何で!?私はカラ松君を一杯愛してあげられるよ?」
「その人は今、とても苦しんでいる。救ってやりたいんだ、何年掛かっても・・・愛しているから」




その話を聞いて一松兄さんは少し瞳を潤ませていた。

「な、何か湿っぽくなっちゃったね、恋バナなのに~」
「じゃ、もうやめr」
「やめないよ?次々!やっぱり、主導権握ってるのはカラ松兄さんなの?」
「はっ!?」

一松兄さんが割ろうとしていた生卵を思いっきりボールの縁に叩きつけてぐっちゃぐちゃにする。

「も~う、何やってんの一松兄さん!動揺しすぎ!」
「トド松が急に変なこと聞くからでしょ?」
「変な事じゃないよ、二人とも男なんだから役割分担決めなくちゃでしょ?」

一松兄さんはこぼれた卵を拭きとりながら「あんな発情期のゴリラ相手に腰振ったら腰千切れるでしょ」と遠回しに自分が受け身であることを白状していた。
そんな風に恥ずかしそうにカラ松兄さんとのことを話す一松兄さんが可愛くなって僕はどんどん質問を投げかける。
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