第14章 熱に浮かされて(バイト編)【紅松】
「何?また怖い夢でも見てたの?」
「え?あ、えっと・・・うん」
「ん?」
トド松が挙動不審になるから少し顔を覗き込んでじっと見つめる。
すると、ピンと背筋を伸ばして顔をこわばらせながら時計を指さす。
「ま、まだ寝ないとバイト中眠くなっちゃうから、寝るね!起こしてくれてありがとう!」
そう言って勢いよくタオルケットを被ってソファーの背もたれに顔を埋めてしまった。
・・・明らかに何か隠してる
だけど俺はあえて何も言わなかった。
甘えん坊の末っ子の事だ、どうしようもなくなったらそのうちチョロ松かカラ松にでも相談するだろう。
俺は再び畳に大の字になって眠りについた。