第13章 働く六つ子(バイト編)
十四松side
昨日、銭湯に行くため、一松兄さんとおそ松兄さんの帰りを待っていたけど一松兄さんは帰ってこなかった。
僕は明日の新聞配達の事を考えて戸惑った。
だけど、銭湯に行く途中おそ松兄さんが僕の肩を組んできて言ったんだ。
「十四松、明日は俺と早起きしような~」
「十四松兄さんとおそ松兄さん、どこか行くの?」
トッティーがいいなぁーと振り返って言う。
トッティーは僕たちが寝る頃にアルバイトでコンビニ行くんだっけ?
僕は遊びに行くんじゃないよと言おうとしたけどおそ松兄さんに遮られた。
「ランニングに付き合ってもらうの~」
僕は更に戸惑った。
新聞の配達に行かなくちゃいけないからランニングには行けない。
「おそ松兄さんがランニング!?何、急に・・・気持ち悪」
「そんな言い方ないだろ!お前はジムで鍛えてるしカラ松は何もしてないのにあれだし十四松は十四松だろ?だから俺も鍛えようと思って?」
「さらっと僕をスルーしないでくれる?ってか、カラ松と十四松は全く説明になってないから!十四松は十四松って何!?」
皆がわいわいやっている横で僕はやっぱり戸惑っていた。
ど、どうしよう・・・
だけど、その心配は無駄だったことを知る。
銭湯の帰り、ランニングには行けないとおそ松兄さんに断ろうと思っていたらおそ松兄さんが先に僕に話しかけてきた。
「で、一松と何の仕事してんの?」
「え!?」
「お兄ちゃんはぜーんぶお見通しよ?」
僕は嬉しくておそ松兄さんに笑顔を向けた。
鼻の舌を擦りながらにっししーと笑うおそ松兄さん。
僕はこんなおそ松兄さんも大好きだ。
よかったね、一松兄さん。
いざとなったら頼れるおそ松兄さん、分かり合えるチョロ松兄さん、優しくサポートしてくれる弟のトド松、そして優しくて頼もしい大好きなカラ松兄さんと兄弟として生まれてこれてよかったね。
僕も、少しは一松兄さんの役に立てているのかな?