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【おそ松さん】色松恋物語(BL長編)

第13章 働く六つ子(バイト編)


チョロ松side


ガックリと肩を落とし帰路に就く。
その肩をトド松がトントンと元気づけるように叩いてくれている。


「何で、トド松は受かって僕は落とされるんだよ!第一、あんなチャラチャラした奴より僕の方が何倍も使えそうじゃない!?」





チャラチャラした奴・・・そう、今回の面接には僕たち以外にもう一人受けに来た人がいたのだ。
まだ二十歳そこそこの金髪の青年。



「金髪だよ!?金髪!!」
「金髪の店員なんて今はよくあることだもん・・・ライジングシコスキーよりそっちの方がましだよね?」
「その呼び方止めろ!兄貴だぞ!?だいたい、トド松っ!お前どっちの見方だよ!」
「僕はひいきはしないよ?第三者の目で見て当然の結果だと思う」


澄んだ瞳で見据えられてまた更に腹が立った。
それと同時に情けなさに涙が出る。


いつも就活就活と偉そうなこと言ってていつまで経っても就職できない。
いざという時も普段遊んでばかりの弟は受かったのに自分は落ちてしまう・・・
兄として一松に何もしてあげられないことを、申し訳なく思った。

家に帰りつくと玄関に見知らぬ男の人が二人立っているのが見えた。
玄関が開いているのが見える。
誰かが対応しているようだ。


門のところまできてただいまと覗き込むと玄関に立っていたのは一松だった。
一松は青い顔をして口元を手で覆っていた。


「ちょっと、あんたたち何なんですか!?おいっ、一松大丈夫!?」
「ん・・・ちょっと、気持ち悪い・・・」

もう一度その二人にくってかかろうとしたところで二人がスーツの内側に手を伸ばした。
そして黒皮のカードケースを開いて見せてくる。

「け、警察!?」
「昨日の事件の担当になった刑事です。昨日の事を少し聞きたくて・・・」
「だったら上がってください、こんなところでだと弟も辛そうなので」
「申し訳ありません、では、お言葉に甘えて」

そう言って二人を案内する。
その前をトド松が一松を支えながら歩いた。

座布団とお茶を出す。
そして、十四松もいた方がいいだろうと十四松を呼びつけた。
僕は正直ほぼ、兄弟から聞いた話しか知らなかったけど、兄弟だけでは話がうまくまとまるか心配だったし、不謹慎だけど話の内容が気になって同席した。


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