第2章 想い
俺は、カラ松とペットショップを訪れた。
思っていた以上にいい買い物ができた。
気づけば買い物かごはネコ缶でいっぱいだった。
袋の持ち手の強度と手の負担も考えて店員さんが二つに分けてくれた。
俺が受け取ろうとすると横からカラ松の手が伸びてきて袋を二つとも持って行ってしまう。
「無理しなくてもいいよ、ヒヒ」
俺は蔑むようにカラ松を見遣った。
あぁ、俺って本当にかわいげがないよな。
つくづく嫌になる。
自分で選んだ道だけど。
直したくても体に染みついてしまって直せない。
なのに、カラ松は優しい笑顔で答えた。
「荷物持ちについてきたんだ、このぐらい当然だ。さあ、夕飯もできるころだ急いで帰ろう」
「めでたい奴・・・」
そんなこと思ってない。
ありがとう・・・
ただそれだけのことが言えなかった。
こいつは俺がどんなに突き放しても優しく手を差し伸べてくる。
その手を何度取りたいと思ったか。
でも、できなかった。
大事なものを失うのが怖かった。
裏切られるのが怖かった。