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【おそ松さん】色松恋物語(BL長編)

第2章 想い


一松side

何だか一日中ぼーっとしていたせいか体が怠い。
何かしようとも思うが夢のことが頭の中を支配して何も手につきそうになかった。
外を見ると空はオレンジ色に染まっていた。



「「ただいまー」」

おそ松兄さんとカラ松が帰ってきたようだ。
しばらくすると二階に兄弟がそろう。
部屋に入ってくるなりカラ松が真直ぐ俺のところにやってくる。
俺は一睨みして膝に顔を埋めた。
だけど、カラ松はかまわず俺に話しかけてきた。


「ブラザー、夕飯まで少し時間がある、俺と愛の逃避行でぶわほっ!!」

俺はいつもの癖で反射的にカラ松を殴り飛ばしていた。
カラ松が一回転しながら部屋の隅へ飛んでいく。
それを見てトド松が呆れた顔をして言う。

「カラ松兄さん、そんなに女の子に飢えてたの?」

おそ松兄さんがカラ松に手を貸しながら言う
「カラ松、もう少し普通に言えないの?・・・一松、お前がいつも猫のエサかってる店でタイムセールやってたよ。カラ松荷物持ちに連れてけよ?」

カラ松と二人で買い物・・・
心臓がぎゅっと締め付けられた。
求めているのにもう一人の俺がブレーキを掛ける。

俺なんかにかかわったらろくなことない。
あいつは俺とは違う。



俯いていると目の前に手が差し伸べられた。
カラ松だった。

「さぁ、行こう。早くしないと終わってしまうぞ?」

俺はカラ松の手を手の甲で払って立ち上がると襖まで向かい手をかける。

「いっぱい買うから覚悟してよね」
背を向けたままそう言って部屋を後にした。
すぐに後ろからカラ松が付いて来るのが分かった。





気づけば夢のことは忘れていた。
心のもやもやは晴れていた。











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