第2章 想い
「おそ、松・・・」
「トド松が言ってたよ・・・お前が今まで一松がうなされる度に抱きしめて大丈夫だって言い聞かせてたって。今日偶然それができなかった日に限って一松がいつも以上にダメージを受けてる・・・ってことはさ、お前のやってきたことって無駄じゃなかったってことだろ?」
俺の目から涙がこぼれた。
おそ松はかまわず続ける。
「一松はああ見えて寂しがり屋だ、必ず誰かの助けを待ってる、求めようとしてる。ただ、あいつの中で何かがその邪魔をしてる」
そうだろ?という風におそ松が俺を覗き込む。
俺は小さく頷いた。
「一松の事を一番わかってあげているのはお前だ。俺たち以上の愛を注げるのもお前だよ、カラ松。今日の一松を見て俺達思ったんだよ、一松にはお前が必要だって」
そう言うとおそ松は竿を置いて立ち上がり
地べたに両膝をついた。
俺も何事かと竿を置いて立ち上がる。
「お、おいっ!おそ松何をしている!?」
「頼む!一松を救ってやってくれ!!」
おそ松は更に頭を下げた。
「わ、わかったからとにかく頭を上げてくれ!」
おそ松は膝の砂を払うと椅子に座る。
「頼んだぜ!」
鼻の下を擦りながらにかっと笑った。
「ああ、任せておけ!許されてしまえばこっちのもんだ、回り始めたぜ恋の歯車っ!俺のホットな愛を隠すことなく全て一松にぶつけてきっと落として見せよう!」
「あいたたたー」
「どうしたおそ松!?どこか痛むのか!?」
「お前が黙れば治るから!」
「え・・・ぐすん」
・・・ありがとう、おそ松。