第12章 何度でも(モブサイコ編)
カラ松side
よほどショックを受けたのか一松は過呼吸を起こし倒れてしまった。
部屋の外で様子を窺っていたのかブラザー達が駆け寄ってくる。
トド松が「過呼吸みたい!」と言って荷物の中から袋を取り出し、一松の口元へあてがう。
おそ松と十四松は必死に一松に呼びかける。
そんな中チョロ松が俺に向かってきて綺麗な右ストレートを打ち込んできた。
パシーーーン
やってこない衝撃に薄く目を開けるとチョロ松の拳との間におそ松の手があった。
「ストップストップ!」
「兄さんっ!これ以上止めるなら僕は兄さん殴ってでもカラ松に一発お見舞いしなくちゃ気が済まないよ!?」
「まあまあまあ、俺の話をきけって!それでも納得いかなかったらカラ松を好きなだけ殴ればいい」
後半納得いかない台詞があったがとりあえずチョロ松を止めてくれたおそ松に感謝して、一松の様子を窺った。
トド松と十四松のお陰で息は整ったようだが気を失ったように眠ってしまった。
おそ松は一松を抱きかかえると俺のもとに連れてきて顎で布団をめくるよう指示する。
俺は布団をめくり体を端に寄せた。
おそ松は空いたスペースに一松を寝かすと「順番間違えんなよ!」とニカッっと笑ってヤイヤイ騒ぐ弟達の背中をぐいぐい押しながら仕切りのカーテンを閉めて去っていった。
「拷問だ・・・」
俺はそう呟いてもう少し一松との距離を取った。