第12章 何度でも(モブサイコ編)
一松side
カラ松と過ごした日々が俺の中を駆け巡る。
何だよ・・・何なんだよ・・・走馬燈みたいな。
カラ松に別れようって言われて、俺、死ぬ瞬間みたいな状態なの?
どんだけ好きなんだよ。
我ながら引くわ・・・
あれだけ流した涙がまた俺の瞳を覆いつくして決壊する。
溢れた涙は頬を伝って俺のズボンにいくつもシミを作った。
不意にカラ松の指がそれを止める。
頬をすーっと擦り上げて瞳に溜まる涙を拭い去った。
「何を泣くことがあるんだ、一松」
そういうカラ松の瞳からはもう、涙は流れていない。
「お前も俺と別れたいと言った。俺も別れようと言った。話はまとまったんだ」
そう言って優しく微笑むカラ松。
違う!違う違う違う違う!!
俺は必死に首を横に振った。
だけど、カラ松は俺の頭を撫でて「もう後戻りはできない」と言い放った。
呼吸の仕方を忘れる。
苦しい・・・
カラ松が何か叫んでるけど、別れる話をされてるかもしれないと思うと不思議と鼓膜が振動を止めた。
ぼやける視界の隅、四色の何かが向かってくる。
そこで俺の意識は途絶えた。