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【おそ松さん】色松恋物語(BL長編)

第10章 歪み(モブサイコ編)



ドスッーーーーーー



という鈍い音。
俺ははっきりしない視界に何度も瞬きをして目を凝らす。
カラ松と高木さんが抱き合うような形になっている。
何が起きたのかすぐに悟った。


「カラ松ぅううううううう!!!!」

引き抜かれたナイフが再びカラ松の脇腹に埋まる。

俺は高木さんに体当たりした。
崩れ落ちたカラ松の傍に何とか擦り寄って声をかけた。

「カラ松っ!しっかりして、お願いだから死なないで!俺・・・お前がいなくちゃ・・・」

するとカラ松の手が俺の頭を撫でた。

「一松、大丈夫か?何をされたんだ?」
「こんな時まで俺の心配しなくていいんだよ!」

すると後ろから返事が返ってくる。

「媚薬だよ」

立ち上がりながら高木さんが言う。
俺は高木からカラ松をかばうように身を乗り出した。
幸い、カラ松の体にナイフは刺さったままになっていて高木さんの手には武器は握られていない。
でも、どちらにしてもこの状況はまずい。
早くしなければカラ松がーーーーーー

だけどカラ松は俺を押しのけた。
そして俺をかばうように立ちはだかる。

「何やってんのカラ松!?」
「俺は一松を守りに来たんだ」
「俺と一松君の邪魔をする奴は許さないよ」

高木さんはテーブルの上に置いてあったハサミに手を伸ばす。
それをカラ松の脚に阻止された。
その瞬間、カラ松は顔をしかめて脇腹に刺さっているナイフを抜き、投げ捨てた。
そこからブシュッと血が飛び散った。


「カラ松ッもうやめて!お願い・・・」
「大丈夫だ、刺さったままだと痛くて動けないんでな」

そうやってこんな時にまでにっこりと微笑んで見せる。
こんな時に微笑まれたって安心なんてできないよ・・・


「死亡フラグ立ててんじゃねぇよ!」

手がズタズタになってもいい、それでもいいから手が自由になれば少しは役に立てるかもしれないと手に力を込めた。
その時だったスッと俺の手が自由になった。
俺は何事かと後ろを振り向く。
俺は手首を見て目を見開いた。
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