第9章 仮装はいかが?【紅松】
僕たちは一軒の店の前で立ち止まっていた。
僕たちはその店の入り口に張られてある大きなポスターを見ている。
そこにはでかでかと『仮装はいかが?』と書かれている。
ポスターに書いていることによるとハロウィンの日、10月31日にこの商店街で仮装をし、トリックオアトリートと言いながら各店舗を回るとお菓子やら景品やらがもらえるらしい。
「おそ松兄さん、僕達も出ようよ!!」
「え~、トド松が出て俺の分ももらってきてよ」
「おそ松兄さん、僕、兄さん達と楽しい思いで作りたいなぁ~?」
そういうとおそ松兄さんは頭をぼりぼりと掻きながらため息一つ、「しゃぁねーなあ!」と言ってお店の中に入っていった。
そうこなくっちゃ♪
僕も兄さんの後を追ってお店に入った。
店内にはハロウィンっぽい衣装以外にもコスプレ衣装なんかも置いてあった。
「おそ松兄さんっ、こっちこっち!」
「トド松、落ち着けよ~」
「これ、おそ松兄さんに似合ってると思うよ!」
僕はマネキンの頭から二本の赤い角の付いたカチューシャを外し、おそ松兄さんの頭に付けた。
そして、更にマネキンの肩にあるベルトを外す。
そしてそれをおそ松兄さんに付けてやった。
二本の角に黒い羽根、あとは牙を付ければ完璧な悪魔だ。
「おそ松兄さんはこれに決定ね!?」
僕はポイポイと籠に入れて他の兄弟にぴったりなものがないか物色して回った。
おそ松兄さんも何気にノリノリで兄弟の衣装を探していた。
わいわいと沢山の衣装を二人で見て回って本当に楽しかった。
合コンとかでは得られない幸福感というか満足感みたいなものがあったかかった。