第9章 仮装はいかが?【紅松】
カラ松side
一松とカメラを現像に出しに行き、路地裏の猫に会いに行ってそれから散歩をして帰ってきた。
程なくして玄関から他の四人の声がした。
何やらワイワイと騒がしい玄関に俺と一松は顔を見合わせて立ち上がった。
玄関に行ってみるとおそ松が大きな紙袋を担いでいて、それをハイテンションの十四松とチョロ松が覗き込んでトド松がまだ見ちゃダメだと騒いでいた。
「ブラザー、おかえり・・・一体何事だ?おそ松のその荷物は?」
「あ、カラ松兄さん、一松兄さん、二人の分もあるから今から皆で試着しようよ!!」
結局何を騒いでいるかはわからなかったがおそ松とトド松で俺達に服か何かを買ってきていることはわかった。
俺と一松は再び目を合わせて二階に戻った。
「実は、今度商店街でハロウィンのイベントがあるんだって!ハロウィン当日に仮装して各店舗を回るとお菓子とかいろいろもらえるんだって!」
「ってなわけで、俺とトド松で仮装用の衣装を調達してきたってわけ~、一着一万な!」
「は!?金取るの!?」
反論するチョロ松。
トド松はおそ松をにらみつけていた。
「もー、しょうがないから今回はお兄ちゃんの奢りね?皆俺に貸し作ったこと忘れないでよ~」
「それくらいなら払った方がましだわっ!」
おそ松とチョロ松が言いあう横で十四松が自分の衣装にニコニコと袖を通す。
十四松はかぼちゃ姿で部屋中を駆け回っている。
「見て見て、僕かぼちゃだよ~!うわ~~~~い!おそ松兄さんっトッティーありが盗塁王!」
俺は一松の衣装が気になって一松の手元を覗き込んだ。
「一松は何の衣装なんだ?」
「え?うん・・・」
一松は畳んであった自分の衣装を持ち上げた。
全貌が明らかになったその衣装に少し頬を赤らめる一松。
その衣装は一松らしく猫の着ぐるみだった。
フードに猫耳がついていて、袖と裾が猫の手足の形になっている。
「一松らしいじゃないか、良かったな」
「こんなの恥ずかしくて着られないんだけど・・・」
「大丈夫だ、当日は皆こんな感じで仮装してくるんだから目立つこともない」
「カラ松は何だったの?」
俺も持っていた衣装を持ち上げて見る。
真っ黒の衣装だった。
その中からドサッと袋が出てきた。
一松がその袋を拾い上げて中身を取り出す。
「う・・・わ・・・」