第9章 仮装はいかが?【紅松】
おそ松side
寂しがり屋の末弟をパチンコに誘った。
もう少しやっていたかったけど今日はこいつに付き合うつもりだったのでブーブー言いつつも言われた通り換金を済ましてやる。
俺が換金を済ますとトド松はその間に調べておいたのかご飯を食べに行こうとどこかに向かって歩き出した。
行きついたのは俺には似つかわしくない小洒落たカフェだった。
「ちょっと、トド松・・・場違いじゃない?」
「ここのパンケーキがすっごく美味しいんだよ!!」
そう言って俺の腕をぐいぐい引いて店に引きずり込んでいった。
(こいつ全く話聞いてないな・・・)
そう思いつつも、やっぱり今日はトド松に付き合ってやることにする。
少し緊張したけどそこは悟られないように平然お装った。
トド松がメニューを開いてどれが良いかとか聞いて来たけど横文字だらけのメニューなんて見慣れないから何選んでいいかわかんなかった。
・・・こいついっつもこんな所ばっか来てんの?
悔しいけど我が家の希望の星はやはりこいつなんだろうなと悟った。
「トド松が食いたいもん一杯頼めよ?食べれない分は俺が食うからさ、そしたら好きなもんいろいろ食べれるだろ?」
もっともらしいことを言ってとりあえず乗り切る。
「何かおそ松兄さんと半分ことか気持ち悪いっ」
「はっ!?お前よく十四松とか一松と半分ことかやってんだろ!」
「・・・確かに」
「わ~、お兄ちゃん侵害だわ~」
泣いたふりをして見せたらはいはいと冷たくあしらわれたけど、ちょうど二つの内どっちにするか悩んでいたからよかったと礼を言われた。
俺は照れ隠しににーっと笑って見せた。
パスタにパンケーキにパフェ・・・
殆どデザートで腹を満たした感じだったけど目の前で満足そうに微笑む弟に俺は言葉を飲み込んだ。
「トド松、美味かったよ、俺だけならまずこんなとこ来ないから新鮮だったし」
そういうとさらにトド松は嬉しそうにどういたしましてと身支度を始めた。
俺も立ち上がり、伝票を取りレジに向かった。