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【おそ松さん】色松恋物語(BL長編)

第8章 新境地



「一松大丈夫か?」
「カラまちゅ・・・ありがと」

一松はじゃれるように俺に頬ずりをする。
俺が猫をあやすようにのど元を撫でてやると気持ちよさそうに首をそらせて吐息を吐いた。

「-----っ!!」
「・・・カラまちゅ?」

一松のあまりの可愛さに思わず手が止まったのを一松は不思議そうに見上げてくる。

「い、一松っ・・・その上目遣いを止めてくれないか?」
「ん・・・」

シュンとして俯いた一松の頭をすまないと言って撫でてやる。
そして何気なく猫耳の事が気になって触れてみた。
するとぴくっと一松の体が反応する。

「すまない、嫌だったか!?」
「ううん・・・気持ちぃ」
「そうか、しかし不思議だな、いつからなんだ?」


俺はそんな質問をしながら一松の耳を触る。
つるんとした毛並みと柔らかい感触に癒されて一松が何かに耐えるようにぎゅっと目を瞑っていることにも気づかづに夢中で触っていた。
そして何気なく耳の穴の手前を人差し指でなぞった時だった。


「ひにゃぁああああっ//////」

一松がググッと背を逸らせて鳴いた。

俺は慌てて手を放し、一松を見やった。
一松は顔と人間の耳を真っ赤に染め、足の指にはぎゅっと力を入れ、己の右手の人差し指に牙を立て、瞳には涙を浮かべてはぁはぁと肩で息をしていた。

「一・・・松・・・?」
「かりゃま・・・つ・・・俺、な・・・んか、へん」
「どう変なんだ!?一旦薬湯から出るか!?」
「イヤっでたくにゃ・・・ぃ・・・れも、体が・・・あちゅ、いぃ」

辛そうな一松を前にどうすることもできない。
その時、もじもじと動く一松の腰から巻かれていたタオルが外れ、湯に漂った。

俺はあらわになった一松のソコに目を見開いた。
完全にタッティー状態だった。
興奮するようなことが何かあっただろうかと考える。

「俺は何も・・・いや、耳だ!」

そうと分かれば一松の熱を冷ますには何をすればいいか、答えが出ている。
一松の頭を抱き寄せ、シャンプーの香りのするふわふわの髪に顔を埋めスーッとゆっくり一松の匂いを堪能して囁いた。


「一松、今気持ちよくしてやるからな?」

すると一松の体がびくんと反応した。
おそらく猫耳の傍で囁かれて反応したんだろう。
夕食の後、一松が言っていたことを思い出す。
俺の低く囁く声が好きだと言っていたことを。


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