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【おそ松さん】色松恋物語(BL長編)

第8章 新境地


カラ松side

スペシャルスイートなメイクラブの後、一松は気を失ったように眠りについた。
俺は一松の体を綺麗にしてやり、布団をかぶせ一松の寝顔で一杯やる。



至福のひと時だ。



一松、楽しみにしていてくれ・・・
俺のハートフルなプレゼントを。








三週間前、運動会でペアチケットを貰った後の事だ。
一松が行っても金がかかることはあまりできないなとぼやいた。
俺はギャンブルやファッションに、一松は猫の餌にと小遣いを使い余裕なんてなかった。
こんな時に金がないなんて男として情けない。
そう思った俺は考えた。
一松の猫の餌は買わないわけにはいかないが俺の小遣いの使い道はどうだろう?
我慢しても困るものではない。

そう思った俺はまず、今月の小遣いに一切手を付けないことにした。
しかし、それでもまだまだ旅行の小遣いとしては少ない。
そこで俺はさらに考えた。
一松は将来の俺達のために料理の勉強を始めてくれた。
ならば己にできることは何なのかを・・・




仕事・・・



それしかないよな?

しかし、これまでがこんなんだ。
正直自信がなかった。
だから皆に気づかれないようこっそり始めた。


仕事はイヤミに頼んだら運よくすぐに見つかった。
運動会での俺のパーフェクトランを見込んでくれた新聞配達の事務所が俺をバイトで雇ってくれると言う話が舞い込んできたんだ。
俺はとりあえず三週間そこで雇ってもらった。

早朝三時、こっそり家を出てランニングがてら新聞を配達した。


初めて手にしたまともな給料。
三週間だけだが続いた、失敗も一杯した、だから本当に三週間できっぱり辞めさせられた・・・だけど
一松・・・お前のお陰で俺は変われるかもしれない。
そう思った。
どんなに失敗しても怒られてもお前の事を思うと頑張ろうっていう気になれた。
こんなの初めてだ。
お前の存在が俺の中でこれほど大きくなっていようとはな・・・
結局無職なわけだが・・・

俺は苦笑いを一つ、一松の髪を撫でて布団に入った。



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