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【おそ松さん】色松恋物語(BL長編)

第8章 新境地



人形焼きに始まり、から揚げや団子、ぜんざい、コロッケ、ソフトクリーム色んなものを食べた。
此処の名物らしく、色んな招き猫があちこちにあって一松は招き猫を見つけては立ち止まっていた。
少しはしゃいでいるような一松。
目を離せば逸れてしまいそうだった。
だけど、その心配はない。
俺の瞳は一松にくぎ付けだ。
そのうち、一松が一軒の土産店に吸い込まれるように入っていった。
後を追って入っていくとそこには所狭しと猫をモチーフにした品物が並んでいた。

「・・・かわいい」
「一松、記念に何か買っていくか?」
「ん~、でも他にも欲しい物出てくるかもしれないし、お土産も買わなきゃだし見るだけでいいよ」

一松は財布の中を覗いて少し眉を下げて笑った。
そう言って一松は店の中をぐるぐると物色していく。
そのうち一人の女性が俺たちに声をかけてきた。

「どういったものをお探しですか?」

どうやらこの店の店員らしい。
俺は一松を見やったが一松は案の定あたふたとしていたので俺は一松の頭をぽんぽんと叩いてから店員に向き直った。

「弟が猫好きでな。何かおすすめのものは?」
「当店で一番人気なのはこちらのリングになります」

店員が案内してくれた棚にはリング全体が猫の形をしているという一風変わったものが並んでいた。
猫が自身の尻尾を咥える様に輪を作っている。
そして猫の瞳の代わりにカラーバリエーション豊富なストーンがあしらわれていた。

「よかったら自由にご試着ください。仕事上つけられない方はこちらのチェーンでネックレスとして買われる方もいますし、実は恋人と持つと必ず結ばれるってこの辺じゃ有名なんです」

そう言われてよく見ると、棚に張られたポップに縁結び猫と書かれている。
俺は棚の中から紫色のストーンのリングを一つ選んで、一松の左手を取り、薬指にリングをはめようとしたが一松が慌てて手を引っ込める。

「おいっ!そこはっ/////」
「ん?」


まったく初心な子猫ちゃんだ。

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