第7章 俺のモノ!
一松side
カラ松が質問を投げかけてくるが、料理の事は言うつもりだったけど急な事で何から話していいのかわからず言葉が出てこない。
その度に激痛が走った。
『怖い』
そう思うのと同時にカラ松も俺と話せていなかった事を寂しいとか不安に思っていたのだと気づいて、とても嬉しく安心した。
でも、このままじゃ俺達の関係はどうなってしまうんだろう?
そう思った瞬間、今まで流れていたものとは比べ物にならないほど熱く大粒の涙が頬を伝った。
切羽詰まった中、必死に考える。
どうしたらいい?
人と心を通わせることをずっと避けてきた俺の脳みそじゃいい考えは浮かばない。
だけど、このままカラ松に嫌われても自分の気持ちだけは伝えたいと思った。
「ごめんね、カラ松・・・でも、俺の話も聞いてよ・・・」
とりあえず今朝の事から話し出した。
するとカラ松の表情が少し和らぐ。
俺は、それを話を聞いてくれようとしているのだと判断し、ゆっくり少しずつ話した。
実はこっそりトド松と料理教室に通っていること、カラ松を料理でもてなして料理教室の事話そうと思ってたこと、チョロ松兄さんとおそ松兄さんと話していたこと、お昼ご飯を作ったこと、それをカラ松にも食べさせたかったこと、プリンも食べさせたかったってこと、他の兄弟と居てもカラ松の事ばかり考えてしまうこと、カラ松も大事だけど兄弟も大事にしたいってこと。
喋るのが得意じゃない俺の話は順序が違ったりして伝わりづらかったかもしれない。
だけど、俺なりに懸命に話した。
俺の素直な気持ち。
一週間分は喋ったかもしれない。
俺が話し終わると少しの間沈黙が流れた。
・・・やっぱり、愛想つかされたのかな?
だけど、不思議と涙は止まってしまって出てこない。
きっと終わりを迎える俺の初恋。
とても悲しいはずなのに・・・
そんなことを考えているとカラ松がグッと俺の腕をつかんだ。
そして、きつく縛っていたベルトを解き、俺の体を優しく起こしてくれる。
最後になるであろう優しさが逆に辛い。
なのに残酷にもカラ松は俺を抱きしめた。
そしてやっぱり優しい声が上から降ってくる。