第7章 俺のモノ!
一松side
夕飯も兼ねた宅飲みが始まる。
おそ松兄さんがカラ松の様子を窺っている。
カラ松も俺と同じように話せなくて寂しいと思ってくれているのだろうか?と少し期待したけどこちらに視線をくれることはなった。
たったこれだけのことで嫌われてしまったのではないかと不安になる。
カラ松がどれだけ俺のことを思ってくれているかわかっているはずなのについつい自分なんかいつまでも好きでいてくれるわけないとか余計なことを考えてしまう。
カラ松が知ったらきっと怒るだろうな・・・。
今日はカラ松とほとんど話していない。
カラ松が気になりながらも嬉しそうにいろんな芸を見せてくる十四松をほっとけなくてカラ松と相変わらず話せないでいた。
いつもカラ松と一緒に居て相手してあげられなかったし、今日は弟達と過ごす日ということにした。
しばらくすると十四松はおそ松兄さんとじゃれ出した。
するとチョロ松兄さんに話しかけられた。
「一松、料理教室はどう?」
「うん、まだ数回しか行ってないけど勉強になるよ」
チョロ松兄さんは無理に背中を押してしまったんじゃないかと心配していたらしい。
俺は料理教室を楽しめてること、今度カラ松を料理でもてなして料理の勉強中であることをカミングアウトしようと思っていることを話した。
「きっとカラ松喜ぶよ!」
自分のことのように嬉しそうにしているチョロ松兄さん。
それが嬉しくて話が弾んだ。
気づけばカラ松の姿はなかった。
そして、おそ松兄さんに飲まされたのか十四松とトド松がダウンしていた。
チョロ松兄さんもうとうとしている。
俺はおそ松兄さんに呼ばれておそ松兄さんの横に座り直した。
「何、おそ松兄さん?」
おそ松兄さんはまあ飲めと日本酒をコップに注ぎ渡してくる。
俺が気が進まないそれを見つめているとおそ松兄さんは察したのか笑った。
「くははは、大丈夫これすっごい甘口だから飲みやすいよ」
「ん・・・ほんとだ」
俺が飲めたのを見て「だろ?」と言っておそ松兄さんは話し始めた。