第7章 俺のモノ!
料理教室当日。。。
食事の後、料理教室に行く支度をトド松がしている横で俺は適当な服に着替える。
トド松は自分と俺のエプロンを鞄に入れると鏡で身なりの最終チェックをして「いこっか?」と俺に声をかける。
短く返事をして俺も立ち上がる。
玄関に向かう間、カラ松に笑顔で行ってきますって言ってあげられたら少しは安心させてあげられるだろうかと思ってカラ松の姿を探したけど出かけたのか見当たらなかった。
出かける前に顔、見たかったなと少し寂しく思うも、楽しそうに前回料理教室で作った料理をスマホで見せてくるトド松に寂しそうな顔を見せては悪いのでそのことを頭から払いのけて兄弟との時間を楽しむことにした。
料理教室からの帰り。
「一松兄さん、料理教室どう?」
「ヒヒ、自分の不器用さを思い知らされるのも悪くないね」
「も~、卑屈なの禁止!練習あるのみだよ?」
「冗談、頑張るよ」
そんな会話をしていると俺達を呼ぶ声がした。
「一松兄さーん、トッティー!」
「十四松兄さん!」
俺とトド松は十四松に手を振り返した。
直ぐに十四松が俺達のところにやってくる。
「兄さん達、その手に持ってるのはなぁーに!?すっげーいい匂いがするぅ~!」
「僕達の手作りプリンだよ!十四松兄さんにも食べさせてあげるね♪」
「えっ!僕達ってことは一松兄さんも作ったの!?すんげーーー!」
「まずいかもしれないよ?ヒヒっ」
俺達は三人で家に向かった。
玄関でおそ松兄さんと鉢合わせする。
「ん?トド松と一松が持ってるそれ何?もしかしてケーキ!?」
目を輝かせて言うおそ松兄さんにトド松が自分たちの手作りプリンだということを説明する。
「一松のは大丈夫なの?毒とか入ってない?」
「流石おそ松兄さん、鋭いね」
そういうと、お前が言うとホントっぽいからやめろと言われた。
俺達は四人で居間に向かう。
時計を見ると丁度お昼だった。
「トド松~、腹減った!何か作ってよ」
作り置きも残り物もない冷蔵庫を覗き、おそ松兄さんがお腹を擦っている。
トド松はおそ松兄さんと冷蔵庫の間に体を割り込ませてプリンをしまうと、しかたないなぁ~と野菜室を開けて材料を確認する。
「うん、パスタにしようか」
「おしゃれだねぇ~、デザートはプリンね?」
「はいはい」
そう言って鞄からエプロンを二枚取り出した。