第1章 悪夢
それから一時は何事もなく学校生活を送った。
でも、友達は相変わらずまったくいなかった。
だけど、毎日カラ松が俺のところに来た。
朝のホームルームまでの時間、昼休み、下校する時。
野球部に入った十四松は部活の時以外は来てくれた。
トド松も時々顔を出してくれた。
でも、その気遣いが俺を苦しめた。
毎日俺なんかの傍にいてくれるカラ松は、俺のクラスで笑いものにされていた。
カラ松があいつらの一人をぶっ飛ばしてから一時はカラ松を警戒して大人しくしていたようだったけど、時間がたつとまた俺への嫌がらせが始まった。
授業中、俺に回ってくる紙切れ。
そこにはカラ松の事が書かれてあった。
”ブラコンキモイ”
”兄弟でできてんじゃないの?”
”お前の兄貴変人”
俺のことを悪く言われるのはかまわなかった。
だけど、カラ松がそんな風に言われるのがすごく苦しかった。
だから、俺はあいつを遠ざけた。