第4章 秘密の代償
大倉side
ちゃんと俺の気持ちは
なのかに伝わってるんかな……?
上手くも言われへんし…
かっこよくもないけど…
これが今言える精一杯の言葉。
抱きしめた腕の中で
なのかは何も言ってはくれなくて…
沈黙が少し恐くなって
体を離してなのかの顔を覗き込むと
真っ赤な顔をしたなのかは
俺から顔を隠して背中を向ける……
「なのか………?」
そう名前を呼んで肩に触れると
「ずるいよ…………」
そんな小さな声が聞こえてくる……
やっぱりそうやんな…?
そう簡単に
俺がしたことが許されるわけがない…
「ごめんな…?
やっぱり許されへんよな?」
そう言って
肩に触れた手を離すと
なのかは勢いよく振り返って
「違う…!
許せないんじゃなくて…
そんな風に言われたら…
怒りたくても…怒れないってこと…!」
驚くことに……
真っ赤な顔をしたなのかが
俺の胸に飛び込んできた………