第4章 秘密の代償
なのかside
"会ってちゃんと話したい…"
そう電話越しに言った私にたつ兄は
"そこから一歩も動かんと待っといて…?"
そう言って電話を切った…
その結果今
私のとなりにいるたつ兄は
寝巻きっぽいスエットの上下に
上着をはおってて…
帽子を脱いだ頭は
寝癖でぴょんぴょん跳ねていて…
見るからに寝起きそのまんまで(笑)
本当に急いで会いに来てくれたんだ…
そう思うとつい
ぴょんぴょんはねるたつ兄の寝癖に
手を伸ばしてしまって…(笑)
「ありがとうたつ兄…
会いに来てくれて………」
そう言って
寝癖だらけのたつ兄の髪を撫でると
その手をたつ兄の手が捕まえて
広い胸の中に引き寄せられる……
「ごめんな…なのか……?
傷付ける様なことして…
確かに俺他の人と付き合ってた…
言い訳にしかならへんけど…
それは俺が弱かったからで…
でも俺やっと分かった……
なのかじゃないとあかんて……
なのかだけが好きなんやって………」