第4章 秘密の代償
大倉side
声のしなくなったスマホを床に放り投げ
ソファーの上に寝転がって
ただ静かに目を閉じると…
すばるくんに言われた
"最低"の言葉が頭のなかを
ぐるぐると回って
苦しくて…辛くて…
会いたくて…会いたくて…
息がつまりそうになる……………
空気を求めて少し開いた唇に
柔らかい唇がふれる感触がして
ゆっくりと目を開けると……
俺の顔を笑いながら覗き込む
かおの顔が見えて……
「どうしたの…?
眉間にシワ寄せちゃって……(笑)」
そう言って俺に触れようと伸ばされた手を
寸前でかわすと…
かおは顔から笑顔を消す…
そんなかおの悲しそうな顔に決心が少し
揺らぎそうになる
でも…もう立ち止まりたくない
前に進みたいから…
前に進むために俺はかおを
傷付ける選択をする
そう決めたのに……
「ごめんな…かお?
俺…好きな人がおる………」
そうぎゅっと目を閉じて
吐き出した言葉にかおは
「うん…知ってる(笑)」
そう言って笑うと
俺の頭をぎゅっと優しく抱きしめた……