第3章 たつ兄の秘密
"全部聞いた…"
そんなすばちゃんの言葉に
後ろを振り返り
「すばちゃんお願い?
裕兄にだけは絶対に言わないで…
裕兄にだけは知られたくない……。」
そう言って
すばちゃんの腕を掴むと…
「それは…大倉のため…やろ?
横に言うたら大倉の立場が悪なるから…
お前…そんなに大倉が好きなんか…?」
なんてすばちゃんは
まっすぐに私を見つめながら
問いかけてくる…
そんなまっすぐなすばちゃんの目に
嘘なんてつけるわけもなくて…
「うん…誰にも言ったことなかったけど
私たつ兄が大好き(笑)
でもね…今回のことはたつ兄は
何にも悪くないんだよ?
ただ私が勘違いしただけ(笑)
そんなの裕兄にバレたら
恥ずかしいだけでしょ(笑)?
だから…すばちゃんお願い……。」
そう言って
また懲りずに溢れてきた涙を
見られないようにすばちゃんの胸に
顔を押し付けると…
「分かったからもう泣くな…
そんなになのかに泣かれたら
俺まで泣きそうになるやんか(笑)」
なんて笑いながらすばちゃんは
私の背中をポンポンと優しく叩いた…