第3章 たつ兄の秘密
「ねぇ…すばちゃん?
今日たつ兄に会った…………?」
こたつに入り
肉まんを美味しそうに頬張るすばちゃんに
そうお茶を出しながら聞いてみると…
「おぉ…会ったぞ?
なんか元気ないみたいやったけど…
あいつのことやから
腹へってたか…寝不足か…
もしくは…
彼女とケンカでもしたんちゃう(笑)?」
そう言ってすばちゃんは
私にまだ湯気が出る肉まんを
差し出してくる…
そんな予想外の言葉に
頑張って冷静でいようとしてるのに
伸ばした手は小刻みに震えるし…
「たつ兄彼女とかいたんだ(笑)?」
そう呟いた声も震えて…
「なんや知らんかったんか?
もうすぐ付き合い出して一年ぐらいちゃう?」
そんなすばちゃんの
追い討ちをかける言葉に
頭が真っ白になる………
一年も前から彼女がいた……
やっぱりそうだった………(笑)
あの"ごめん"の言葉は
そういう意味だったんだ………
ちゃんと知れて良かった。
これで私の片思いは終わりだ。
そう頭では納得しようとしてるのに
心は耳を塞ぎたくなるほど
悲鳴をあげていて
痛くて…痛くて…痛くて…
握りしめた肉まんの上に
ポタポタと涙の粒が落ちていく……
「おい?お前何泣いてんねん(汗)!?」