第3章 たつ兄の秘密
なのかside
昨日の夜から何度もかかってくる
たつ兄からの電話に
出ることもかけ返すことも出来なくて
着信を見るたびため息が出る…
仕事終わり家までの道を歩きながら
たくさんの着信を一つ一つ消していると…
こんな風に簡単に
たつ兄への気持ちも
消してしまえればいいのに…(笑)
なんて出来もしないことを考えてしまう。
そんなことを考えてたら
いつの間にか家に着いていて
鍵を出そうとカバンに手を入れた所で
背中がふわりと
あたたかい感触に包まれる…
「あ…この匂いは…すばちゃんだ(笑)」
そう言って振り返ると…
「何でや!?
何で分かったん?
もしかして俺知らんうちに加齢臭が…(涙)?」
なんて…
自分の体をクンクンと匂う
すばちゃんがいて(笑)
「私はすばちゃんの匂い優しいから
大好きだよ(笑)
でもそんなことよりどうしたの…?」
そう聞いた私に…
「肉まん(笑)!
コンビニで肉まん買ったから
一緒に食お?」
そう言ってすばちゃんは
私の目の前に肉まんが入った袋を
笑顔で差し出した(笑)