第2章 ドキドキの初デート
なのかside
洗面所に入ったまま
なかなか出てこないたつ兄を
扉の前で待っていると…
私があのとき"好き"なんて言ったから
気まずくて目も合わせられない……?
そんな悪い考えばかりが浮かんで
泣いてしまいそうになる…
今にも溢れそうな涙を
上を向いて必死に食い止めてると
洗面所の扉が開いて
扉の前にいたたつ兄と目が合う…
黙ったままのたつ兄に
「なんか怒ってる?」
そう私が聞くとたつ兄は
少しの間目を閉じた後
私の腕を掴み
洗面所の中に引き入れ扉を閉じると
私の顔にゆっくりと顔を近付け
キス…をした………
訳がわからなくてキスの間も
キスの後も動けずにいると……
たつ兄は動けない私を抱きしめて
耳元で小さく"ごめん"と囁いて……
「何でキス…したのたつ兄………?」
そう聞いた私に…
「ごめんな…なのか?」
そうもう一度呟く…
キスをしたことより
謝られたことに
胸がずきずき痛くて
私は私を抱き締めるたつ兄を突き飛ばして
洗面所から飛び出し
自分の部屋に走って逃げ込んだ……