第2章 ドキドキの初デート
「ねぇ…たつ兄…怒ってる?」
無言で運転中の俺に
なのかはそう恐る恐る聞いてくる…
怒ってるわけじゃないよ…?
なのかにはね…?
「はぁ…なんでもう横山くんは
そんなしょっちゅう物を無くすんかな…?
それも今日に限って
家の鍵は無くすし…仕事は早く終わるし…」
そんなことぶつぶつと愚痴りながら
膝の上にお行儀よく並んでる手を握ると…
なのかは赤い顔をしながら
俺の手を握り返してくる…
「ごめんね………?」
そんな申し訳なさそうななのかの声に
「じゃあしょうがないから
なのかから"ちゅう"してくれたら
許してあげてもいいよ(笑)?」
そう言ってほっぺたを指差すと…
少しの沈黙の後
なのかの手が俺の腕に触れて
次の瞬間驚くことに
本当に
なのかの唇が俺の頬に優しく触れた……