第8章 不器用な恋
「嘘やん……
このタイミングで…………(涙)?」
なんて…
さっきまでの妖艶な雰囲気は
どこへ置いてきたのか
ぽすりと私の胸の上に倒れ込むたつ兄は
"ピンポーン"
とさらにしつこく鳴り続ける
インターホンの音に耳を塞いで
「そうや居留守使お!!」
なんてにんまりと笑って
もう一度私にキスをしようとする…
でもそんなたつ兄の考えを
見透かしたように扉の外から
「大倉ーーおるんは分かってるから
はよ出て(笑)?」
なんて叫ぶ
聞き慣れた声が聞こえてきて
目の前に瀬間ってきていた
たつ兄の顔がピタリと動きを止める…
「嘘やん……?」
なんて放心状態の
たつ兄の腕をすり抜け
玄関に走り扉を開けると
そこには
「寒いんやからはよ開けて?」
なんて体を縮めながら
部屋の中に雪崩れ込んでくる
裕兄とすばちゃんと信ちゃんかいて…(汗)
「なんで…………?」
そう呟いた私に向かい
「二人きりで
夜を過ごすなんて危ないこと
まだまだ許しません(笑)」
なんて3人で声をそろえて
にんまりと笑う……(笑)
「そう言う訳やから大倉…
今日はみんなで飲みまくろうや(笑)」
そう言って笑いながら入って行った
リビング扉の中から
「もう嫌や…………(涙)!!」
なんて悲しそうに叫ぶ
たつ兄の声が聞こえた(笑)