第9章 やっぱり毎日が……………
さっきまでの甘々な雰囲気を
消し去り5人になって
騒がしくなった部屋の中…
楽しそうに買ってきたビールやら
たつ兄の買い置きのワインやらを
テーブルに並べて
飲み始めた三人をよそに
一人部屋の片隅で
どんよりした空気を醸し出す
たつ兄が一人…(笑)
「結局こうなるんは
俺だって分かってたし………(涙)?」
なんてぶつぶつと
ワインを片手に一人言を言う
たつ兄の隣に座って
肩に頭を乗せると
「どうしたん…?」
なんて驚きながらも
たつ兄はふわふわと
私の髪を撫でてくれる…
そんな優しいたつ兄の手に
「たつ兄が今日私に言ってくれたあの言葉
すごく嬉しかったよ…?」
そうぽつりと呟くと
「へ……あの言葉…………?」
なんてたつ兄は
不思議そうに首をかしげる…(笑)
そんなたつ兄の手を握って
「離さない言ってくれたでしょ?
あれほんとに嬉しかったんだ(笑)」
そう言って笑いかけると
「そんなん当たり前やんか……?」
そう怒ったように言って
たつ兄は私を抱きしめる…
「うん…その当たり前が嬉しいだよ…(笑)
ここに来るまでは
たつ兄の側には
もういられ無いかもって思ってたから…
側にいられて…笑ってくれて…
抱きしめてもらえる…
私にはその全部が奇跡みたいで(笑)
だからありがとう…
私を抱きしめてくれて…
離さないって言ってくれて…」
「うん………(笑)
何があっても俺は
なのかの側におるから…」
そう言って
優しく抱きしめてくれる腕に
「うん……」
そう返事をした瞬間
「心配せんでも
俺らもずっとなのかの側におるぞ(笑)?」
そんな声がすぐ側から聞こえて
顔をあげると
私とたつ兄をじっと見つめる
三人がいて………(笑)
「いつまでも拗ねてんと
こっちきて飲もうや…(笑)」
なんて笑う裕兄に
「別に俺は拗ねてないからね…?」
むきになって反論する
たつ兄に手を引かれ
みんなが手招きしてくれる
輪の中に入って…
私はその日本当に久しぶりに
お腹を抱えて笑ったんだ……