第8章 不器用な恋
大倉side
なのかが俺の隣で笑ってて…
美味しそうに
俺の作ったカレーを食べてる…
すごくすごく嬉しいことやのに
なんだかちょっと複雑なんは…
カレーを食べ始める前に
なのかかから聞いた話のせい。
"たつ兄を守りたかった"
なんてなのかは言うてたけど
何が起きてるかも知らされずに
彼女に守られる彼氏って
どうよ……………!?
そんな俺のイライラも知らんと
お腹が一杯になって
上機嫌な模様のなのかさんは
「ごちそうさまでした……
お腹一杯でもう動けない………(笑)」
なんて笑いながら
ソファーに座ってた俺の膝の上に
コロンと頭を乗せ横になる…
もう……可愛いやんか…………(笑)
なんて癒されてる場合じゃなくて……
ここは一つお説教や!!
なんて鼻息荒く
「俺はなのかから見て
そんなに頼りなく見えてる?」
そう俺の膝の上で気持ちよさそうに
目を閉じるなのかに問いかけると…
なのかは
勢いよく俺の膝の上から起き上がって
ぶんぶんと首を振る……
そんな今にも泣き出しそうな顔で
俺を見つめるなのかを抱きしめて
「やったらさ……
これからは少しだけ俺を頼ってくれへん…?
俺より小さいなのかを守れるぐらいは
俺強いつもりやから(笑)」
そう言ってなのかの顔を覗き込むと…
「ごめんなさい………」
なんてなのかは
小さな声で謝る(笑)
そんな素直で可愛いなのかの返事に
機嫌を治して…
「よし…じゃああんまり遅くなったら
横山くんに怒られるから
送っていくわ…」
そう言って立ち上がった俺を
「今日はここに泊まるよ?
裕兄もそうしていいって言ってたし(笑)」
そんな…
衝撃的な発言をして
俺の手を引き寄せるなのかの手に…
「ほへ……?」
なんて変な声を上げながら
ソファーに引き戻されて……
「たつ兄の匂いだ…(笑)」
なんて笑顔で俺に抱きつくなのかに
もう理性さんは
とっくに白旗上げてますからね…(涙)?