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365日家族

第8章 不器用な恋


「ごめんね…ひろ……?」


そう何度も何度も謝る私に

ひろはぽたぽたとこぼれ落ちる涙を

拭いながら


「俺以上に…あほやなお前は…(笑)

なんでお前が謝んの………?

ひどいことして

お前を傷つけたんは俺やんか…」


そう言って背中を向ける…



「それでも……ごめん………

あんなにずっとひろと一緒にいたのに…


それなのにいっぱいひろを傷つけて

それさえ気付いてなかったなんて

私…最低だった………」


そう言って

少し震えてるひろの背中に触れると


丸まった背中から小さな嗚咽が

聞こえてくる…


そんなひろの背中を


「大丈夫だよ……?

だからもう泣かないで………?」


そう言って撫でていると

その手を信ちゃんの手が

ふわりと掴んで


「お前が今"大丈夫"やって

言うてやらんといかん奴が

もう一人いてるやろ………?」


なんて笑いながら私の目を覗き込む…



「そうだけど……

そうなんだけどね………?

私たつ兄のこと

すごくたくさん傷付けちゃって…

許してもらえる…かな……?」



「大丈夫やって(笑)

たつは単純やから

なのかが笑って"好き"って言うたったら

泣いて喜ぶわ(笑)

なぁ…横?」



「そうなんちゃう…(笑)

なぁ…すばる?」


「もうええから…はよ行けて(笑)」


なんて笑う三人に背中を押されて


「ありがとう…みんな…(笑)

私たつ兄のとこ行ってくるね……?」


そう言って笑って

私は家を飛び出した…


世界でたった一人の大切な人に


"ごめんね"と"大好き"を


伝えるために………
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