第8章 不器用な恋
どうしてこうなるんだろう…?
ただ守りたいだけなのに…
私には何一つ守れない…
誰にも迷惑かけたくないのに…
迷惑ばかりかけてしまう…
「ごめんな…さい……裕兄……」
こんな風に
謝ることしか出来ない自分が
本当に嫌になる…
そんな何も出来ない自分に
唯一出来ることをするために…
「ほらね(笑)?
裕兄にも分かったでしょ?
結局みんな
俺の言うことを聞くしかないって…?」
そう言って笑いながら
私に向かって手招きをするひろに
ふらふらと近付こうとすると
そんな私の手を裕兄が掴んで…
「俺があいつに
よーく分かったって言うたんはな…?
あれがただの
バカップルの写真やってことや(笑)
やからお前がそんな風に苦しむ必要なんか
全く無いわ……(笑)」
なんて笑いながら
私の体を引き寄せ
抱きしめてくれた腕の中で…
「あほやな…お前は……?
こんなん悪いんは全部たつや!
発情期のさるちゃうんやから
人目も少しは気にせなあかん(笑)」
そう言って信ちゃんは私の頭を
わしゃわしゃと撫でてくれる…
そんなあったか過ぎる
みんなの腕の中で
「ほんとに……
もう我慢しなくていいの………?
みんなに迷惑かけちゃうのに…?」
そうぽつりと呟いた私に
「お前には俺らがおるやろ…?
一人で苦しまんでええんや………(笑)
前に言うたやろ……?
365日毎日家族やって………
辛いときも楽しい時も
いつだって俺が側におるんやかから…
頼ったらええ………」
そう言って
私の背中をトントンと叩いてくれる
裕兄の優しい手が
ずっと苦しくて辛くて
それでも我慢してた心を
ふわりと包み込んでくれて
私は裕兄の腕の中で
子供みたいに声をあげて泣いたんだ………