第8章 不器用な恋
「早く開けろ………」
なんて不機嫌に玄関の前で待つすばるに
せかされ…
「急いでるから少し待て(笑)」
そう言って急いで鍵穴に鍵を入れ
鍵をくるりと回すと…
「あれ……なんか鍵開けっ放しや…(笑)
戸締まりだけは口うるさく言うてたから
今までこんなことなかったのに…?」
なんて笑いながらも…
なんだか胸が
ざわざわとうるさく騒ぎだす
そんな俺の言葉を聞きながら
玄関の前で動けずにいる俺を押し退け
ガラリとすばるが扉を開いた瞬間
家の中から
「嫌………や……め…やっ………」
なんて
なのかの叫び声が聞こえてくる…
そんなただ事じゃないなのかの叫び声に
すばると顔を会わせ
リビングに飛び込むと
泣き叫ぶなのかの上に股がる
ひろと目が合って……
あまりにひどい光景に
「お前……何………してんねん…?」
そう呟いた俺にひろは
「今はタイミング悪いですよ裕兄…?」
なんて笑いながら
両手で顔を覆って泣いるなのかの頭を
優しく撫でる……
でも……次の瞬間
「触るな…………!」
そんなすばるの怒声が
部屋の中に響きわたった………