第8章 不器用な恋
私を見る哀しそうなたつ兄の顔が
頭から離れなくて……
「これでほんとに
なのかは俺のものになったね(笑)?」
なんて嬉しそうに
私の髪を撫でるひろに
「もう十分でしょ…………?
私の幸せは全部もうひろにあげた……
もう私を解放してよ………?」
そう言ってひろの手から
顔をそらすと…
ひろは顔から笑顔を消して
私の腕を掴むと"どん"と鈍い音を立てながら
私の上に覆い被さる………
「ほんまにお前はむかつくやつやな…?
何でそう俺に歯向かうん……?
お前は俺の言うことを聞いて…
俺の側で笑ってたらいいって……
言うてるやろ…?」
そう言って怒ったように
私の首筋に唇を這わせ
噛みつくようなキスをするひろから
「いや……や……めて………!」
そう叫びながら必死に
逃げ出そうとした瞬間
"バシン"と音を立て
頬にしびれるような痛みが走る……
痛みと恐怖で
動けなくなった私を
ひろはにっこりと笑いながら見つめ
「あかんよ暴れたら……(笑)?
そんな風に嫌がったら…
俺がなのかの嫌がること
無理矢理してるみたいやんか?」
そう言って
赤く腫れた私のほっぺたを
手のひら優しく撫でながら
ゆっくりと唇ににキスを落とす……
裕兄…………
すばちゃん………
たつ兄………
怖いよ………………?
誰か助けてよ…………………?
もうこれ以上私………
耐えられそうにないよ……………………