第7章 変わり始めた日常
「誰か…助けて…………?」
そう言って必死に伸ばした手を
誰かが握りしめ
「なのか…………?」
そう私の名前を呼びながら
こぼれ落ちる涙を拭ってくれる
手の感触に目を開けると…
ベッドで眠っていた私の顔を
眉間にシワを寄せたすばちゃんが
覗き込んでいて…
「なんで…ここにいるの……?」
そう顔を見つめながら聞いた私に
「そんなん決まってるやろ…?
不良娘に説教するためやんか!?」
そう不機嫌に答え
私のほっぺたに残る涙のあとを
指で拭いながら……
「なぁ…お前は何を
そんなに苦しんでんの…?」
なんてまっすぐに私を見つめながら
聞いてくる……
言えるはずもない事実に
そんなまっすぐ過ぎる
すばちゃんの目から顔をそらすと
小さなため息が聞こえて
すばちゃんはドアに向かい歩き始めて
離れていく足音に
甘えちゃ駄目だと分かってるのに
我慢出来ずに
その背中に抱きつくと…
「もう何やねんお前は……?」
なんてため息混じりの
すばちゃんの声が聞こえる…
でも……
「お願いだから…
嫌いにならないでよ……~?
たつ兄の側にいられないだけでも
辛くて仕方ないのに…
すばちゃんにまで嫌われたら
私……耐えられないよ……?」
そう言って
震える手ですばちゃんに抱きつく私を
すばちゃんはぎゅっと抱きしめて…
「ほんまにあほなんかお前は……?
俺がお前を嫌いになるわけないやろ…?
俺はお前がどんだけ不良娘になろうと
見放したりせぇへんよ……?」
そう言って私の背中をポンポンと叩く…
そんなすばちゃんの腕の中で
「ほんとに…?
すばちゃんはずっと私の味方……?」
そうぽつりと呟くと
「そうやぞ(笑)
誰がお前を悪く言うても
俺はお前の味方でおるから…
やからほんまに
どうしようもなく辛いに時には
ちゃんと俺に言えよ?」
そう言ってすばちゃんは笑って
私の髪をぐしゃぐしゃと
かき回す…
ありがとすばちゃん………
その言葉と
このあったかい手があれば
私はこの先どんな辛いことがあっても
きっと頑張れる…
そう思わせてくれただけで
もう十分だよ…………?