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365日家族

第1章 365日家族


裕side


みんなが帰ったあと

なのかと二人でこたつでミカンを

食べている今…


なのかの耳についてるピアスを見てると

なんでか胸がチクチク痛む…


「耳…痛くないんか………?」


そうみかんの皮を剥きながら

さりげなーく聞いてみたら…


「うん…?多少じんじんするけど…

痛くはないよ?」



なんて屈託なく笑う…


いつも側で見てきたから

なのかの笑顔は見慣れてるはずやのに


いつもと違う気がするその笑顔に


目を反らして下を向いててたら


「どうしたの…?

もしかして食べ過ぎてお腹痛い……?」



なんてなのかの心配そうな声がして

顔をあげると


今にも泣き出しそうな顔で

俺を見つめるなのかの顔があって……(笑)



この顔はよーく知ってる(笑)


俺が風邪ひいて熱がでて動かれへん時

慣れへん料理して指を切った時



いつだってなのかは

俺より辛そうで痛そうな顔をする…


やから俺は

なのかを笑わせたくて

いつだってなのかの前では

笑ってるんや………



「確かにちょっと食べ過ぎたけど

全然大丈夫ですぅ(笑)」


そう言って泣き出しそうななのかのほっぺたを

力いっばいつねると…



「痛いよ…裕兄…(笑)」


なんてなのかは怒りながらも

嬉しそうに笑う…



そうこの顔。


俺はなのかのこの笑顔を守るためやったら


なんでも出来る気がすんねん………
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