第1章 365日家族
すばちゃんの
"泊めろよ(涙)?"という悲しい声や
お兄ちゃんの
"あかん!はよ帰れ!"という怒鳴り声
信ちゃんの
"すばるはよ靴履け(笑)"という
お母さんみたいな声が
玄関から騒がしく聞こえてくる中
リビングで上着を羽織るたつ兄と二人
"やっぱりかっこいいよなぁ……"
なんてつい長い手足や整った横顔に
見とれてしまう……
そんな私の視線に気付いたのか
突然後ろを振り返ったたつ兄と目があって
何かしゃべらなきゃ…(汗)
そう焦った瞬間…
「なぁ…今度俺とデートしよか(笑)?」
そんな突然のびっくり発言が
たつ兄の口から飛び出る…(汗)
「デ…デ…デート!?」
なんて驚いて咄嗟に叫んだ私の口を
たつ兄の長い指がふさいで
「あかんて…そんな大きい声だしたら
めんどくさい人が来ちゃうから(笑)
細かいことはまた後で電話するね?」
そう言ってたつ兄は
私の髪を優しく撫でた………