第7章 変わり始めた日常
なのかside
胸が苦しくて仕方がない……
たつ兄が会いに来てくれたのに
笑うことも出来なかった…
階段を駆け上がり
部屋の中に入ってから
開けっ放しのカーテンから
恐る恐る顔を出すと
向かいの家の窓ガラスから
こっちを見ていたひろと目が合って…
ヒラヒラと振られる手に
必死に笑顔を作り手を振り返すと
ひろは満足したように笑って
部屋の中に消えていく…
そんなひろの様子に
ガタガタと震える体を必死に押さえ込み
明かりが漏れないよう
きっちりとカーテンを閉めると
体から力が抜けて
床にずるずると座り込んでしまう……
怖い…怖い…怖い………
誰か助けて………?
そうずっと心の中で叫び続けてた……。
でも私は
"たつ兄を絶対に守る……"
そう決めたから……
どんなに怖くても
どんなに辛くても
耐えなきゃいけない…………
そう分かってるのに
現実はあまりに残酷で
不意に考えてしまうんだ……
どうしてこんなことに
なってしまったんだろうって…………