• テキストサイズ

365日家族

第7章 変わり始めた日常


今の時間は23時55分……

なのかが帰って来るんを

玄関に座り込んで待ち続けて


もう2時間がたつ………


もしかしてこれは

0時越えですか………?


なんてふつふつと沸き上がる

怒りを必死に押さえ込んでたら



"ガチャン"

なんて鍵の開く音がして

開いた扉からなのかが入ってくる……



「おかえり………」


そう言った俺に

下を向いたままだったなのかは

驚いて顔を上げると……


「何で………?」


なんてさっきと同じように

嬉しそうな顔もせず…


どちらかと言えば

哀しそうな顔をする………


「なぁ…なのか………

何か俺に言うことない………?」


そう言って

そんな哀しそうな顔をするなのかを

抱きしめると…


なのかは一瞬だけ

俺の背中に手を回しぎゅっと

俺を抱きしめ返すと…


「話すことなんて何もないよ………?

ただ今日はすごく疲れてて…

だからごめんね…たつ兄……?」


そう言って俺から離れ

階段を駆け上がっていく………



「なのか!!」


そう叫んで追いかけようとした俺の手を

いつの間にか側にいた

すばる君が掴んで…


「あかん……」


なんて

大人ぶって俺を引き留める……



"追い詰めたらあかん"


そんなん俺だって分かってる…



でも今なのかを抱きしめた胸が

じわりと小さく濡れてる…


なのかが誰にも言えずに泣いてるのに…


それが分かってんのに

何もしてやれない自分が


ひどく情けなくて仕方ないんやんか……
/ 159ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp