第5章 戦う勇気 手放す勇気
「肉の配達でーす♪」
そんな陽気な声と一緒に
スーパーの袋で顔を隠す怪しい人から
「あ…りがとうございます…?」
そう言って差し出された袋を受けとり
袋の後ろから現れた顔に…
「丸ちゃん!?」
そう叫ぶと…
「はい正解(笑)」
なんて笑って
丸ちゃんは私の手を握りしめ
「肉持ってきたよ裕ちん(笑)」
そう言って私の手を引き
部屋の中に入っていく…
なんだか事態が飲み込めなくて
裕兄の顔をじっと見つめていると…
「ご褒美第二段や(笑)
なのかは昔から丸が好きやったやろ?
丸が家にくる度に丸ちゃん丸ちゃんて
後ろ着いて歩いてたもんな?」
そんな裕兄の突拍子もない言葉に
「俺もなのか好きやで?
て…ことは両思い(笑)?」
なんて丸ちゃんはニコニコしながら
私の頭を撫でる…
そりゃ私だって…
丸ちゃんのことは大好きだけど…
繋いだままの手と
頭を撫でる丸ちゃんの手に
たつ兄の視線が
痛いほど刺さってる気がするのは…
気のせいなのかな……(汗)?