第5章 戦う勇気 手放す勇気
裕兄から結局げんこつをもらって
涙目のたつ兄の頭を撫でながら
リビングに下りていくと
「やから…みんないつも遅ない(笑)?」
なんて笑顔の信ちゃんが
こたつから振り返って…
「わーい本物の信ちゃんだ(笑)」
そう叫んで駆け寄ると…
「偽者の信ちゃんもおるんかい(笑)!」
なんて信ちゃんは
私の髪をくしゃくしゃと撫でて
「寒いからはよ入れ」
そう言ってこたつをめくり
私を隣に入れてくれる…
でも…
そんな相思相愛な私と信ちゃんの間に
「ちょっと待って!」
なんて声と一緒に
たつ兄が割り込んできて…(笑)
「おいたつ…
ここに三人は狭いやろ?」
そうぎゅうぎゅう詰めのこたつで
文句を言う信ちゃんに
「じゃあ村上くんあっち行って?」
私の手を握りしめながらたつ兄は
そう真顔で言った(笑)