第5章 戦う勇気 手放す勇気
点滴が終わって家に着いた後
"もう眠くない!!"
そう文句を言う私を
裕兄は無理やり布団に押し込むと
「ええからもう少しだけ寝とけ(笑)
ええ子で寝たら
兄ちゃんがご褒美やるから……」
なんて笑うと…
「分かった(笑)
じゃあご褒美のために寝る…」
そう言って目を閉じた私の頭を
裕兄は何度も優しく撫でる……
その優しい感触に
"もう眠くない…"
そう思ってたはずの体から力が抜けて
薄れていく意識の中
"なのか…大好きやぞ………"
そう囁く裕兄の声が聞こえた気がした…