第5章 戦う勇気 手放す勇気
なのかside
カーテンから差し込んでくる光に
ゆっくりと目を開けると
見慣れた自分の部屋が目に入る…
もう朝になったんだ…
なんてため息をつきつつ
寝不足でぼんやりする頭をふり
ベッドから起き上がると
何だか体がやたらと重くて
言うことを聞いてくれなくて……
部屋の外から聞こえてくる
「なのか…朝ごはんできたぞ?」
なんて朝からご機嫌な裕兄の声に
「うん……(笑)」
そう返事をして扉に近付こうとすると
足の力が抜けてガタンと派手な音をたて
床にしりもちをついてしまって……
「なのか………?」
大きな音に驚いた裕兄が
扉を開けて私に駆けよってきて…
「大丈夫…(笑)
ちょっと寝不足でふらついただけ…」
そう言って立ち上がろうとした瞬間
目の前がぐらりと揺れて
"なのか…なのか!?"
そう何度も私を呼ぶ裕兄の声を聞きながら
何も見えない闇に意識が落ちていった…